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2010年6月19日 (土)

南薩線廃線跡サイクリング記(その16 最終回)

梅雨末期を思わせるような雨の降り方です。目の前にある川も、いつもは海への水門が閉じられ農業用水として使われており、たまり水状態なのですが、今日は泥色をした水が海へと向かって開けられた水門からはき出されています。

さて、南薩線廃線跡サイクリング記の16回目。今回で最終回です。

アイアンロードが歩行者専用だったという意外な事実に少々驚きながら、迂回できるところは道路を迂回しながら廃線跡をたどることにします。U字型になった線路配置の頂点部分にあった伊作駅跡には図書館ができたり、その周辺が宅地開発されたりして、かつて駅があった頃を思い起こさせるような風景は失われています。遺構としては、鹿児島交通のバス営業所のコンクリート製のバスピットが草に覆われながらも残っています。

また、自動車整備工場、警察の官舎、農協の建物が、当時の駅を思い起こさせる周辺の風景となっています。駅前から役場を通って国道へと続く道は、古い商店などが建ち並び昔の風情を感じることができます。ですから、国道側からかつて駅があった方へ行くと、今でも伊作駅があるような錯覚に陥ります。

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農村振興総合整備事業を紹介する看板に表示されたアイアンロードです。南薩線の気動車を意識したわけではないと思いますが、事業が行われた場所がオレンジ色で示されています。道路の整備や公園の設置、そして南薩線跡をアイアンロードが主な事業のようです。伊作駅跡にもその旨を示す碑や表示などありませんが、この看板にも南薩線跡を示す表示はありません。地元の人たちの力で敷かれた南薩線ですが、もう少しその功績を称え、後生に語り継ぐ取組があってもよいのではと思います。

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薩摩湖から下りてきた線路跡は180度向きを変えて、伊作川へ向かって田の中を直線で進みます。いくつか道路とクロスすることになりまが、その部分には危険防止と車両進入を防ぐための柵が設けられています。前後平行にバーが設置され、その間を通り抜けられるようになっています。自転車通行禁止を謳っていますので、乗車したままではペダルをひっかけそうな感覚で、まったく自転車の通行を拒否したつくりになっています。すぐ横に並行した道路がありますので、そちらを進みます。

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吹上浜駅側から見るとこんな感じです。自転車が走ると高齢者や子どもたちがゆっくりと散歩できないと言うことなのでしょうか。自転車も通れるようにするともっと利用価値が高まりそうな気がするのですが…。実情とかけ離れた、どこかお役所的な設定に感じられました。

さて、このアイアンロードの終点はこんなところです。

Dsc_0187

トイレ、外灯、水飲み場、ベンチ、日よけの藤棚?、タイル敷き、そして事業内容を示した看板。これだけのものがぽつんと広い農地の中に…。こちら側には自転車通行禁止の表示はありません。通行禁止の表示を確認したのは1カ所だけですので、積極的に通行禁止の制限をかけているわけではないようです。実際、アイアンロードの手前には、自転車のものと思われる轍が1本。日常的に自転車の通行があるようです。

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その自転車はこの細い道路から入ってきています。赤鉛筆を模した門柱?がご愛敬。ガードレールの左側のブッシュの中へ南薩線の廃線跡はまっすぐ続きます。この後、大きく左へカーブして伊作川を渡ることになります。しかし、完全に藪と化しており、進むことは困難です。

何も痕跡はないように思いますが、近づいてみると…。

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道路に沿った水路を渡るための桁があり、そこには枕木や犬釘、帯板などが残されています。アイアンロードの端まできた鉄分の高い人へのご褒美とばかりにその雰囲気は廃線跡探訪者にとっては第一級品の風景。とはちょっと言い過ぎ?

ここから先、吹上小学校跡手前まで廃線跡はそのまま残されています。ある意味、貴重な区間といえるでしょう。サイクリングとは別の日に撮影した写真を紹介します。

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立派な築堤の向こう側は伊作川が流れ、両岸に橋台が残されています。手前にも向かい合わせに橋台が残っているのは写真の通りです。また、右端に通信用の電柱も当時のものが残っています。線路跡や駅跡が払い下げられ開発されるようになってから、このような場所は次第に数を減らしてきました。そんな中、この場所は貴重です。

初めは数回で終わるだろうと思っていた南薩線廃線跡サイクリング記でしたが、長々と16回にもなってしまいました。つたない表現で申し訳なかったのですが、おつきあいくださったみなさん、どうもありがとうございました。

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コメント

南薩線廃線跡サイクリング記、お疲れさまでした。
最後の画像は、私も好きな箇所です。
短いながら、往時の姿を残す築堤、石積みの橋台、そして河岸の電柱、右手には、変わらぬ姿の金峰山…。

投稿: hvcc | 2010年6月20日 (日) 06時58分

このところ天気が悪いのと地元の高校生に付き合って遅くまで残らなければならなかったので、自転車はご無沙汰です。また、夏の蝉時雨の中を汗をかきかき、生ぬるい風を味わいながら廃線跡を走ってみたいと思います。趣味と健康維持を兼ねて…。

投稿: Nakachan | 2010年6月20日 (日) 10時15分

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