廣田尚敬先生の新聞記事から徒然に
今朝の新聞の「かお」のコーナーに鉄道写真家の草分け的存在である廣田尚敬氏が取り上げられていました。60年のキャリアで74才。えっ!74才。いつも新しい表現方法を追求される先生ですので若々しいイメージがついて回っていましたが、もう74才なんですね。
その中で「撮り鉄」という表現がお好きでないと書いてありました。私も同様です。何でも類型化して呼び名を付け、十把一絡げに物事を片付けていくという傾向が最近はあります。とりわけ、マスコミの中でもあまりレベルの高くない興味本位に走るようなところでこのようなことが横行しているように思えます。乗り鉄、録り鉄など、鉄道趣味が市民権を得られるようになった頃から聞くようになってきました。本当に余計なお世話です。
沿線で写真を撮っていて「お宅は撮り鉄なんですね」なんて言われたら興ざめです。「いえ、違いますよ。鉄道のよさをいろいろな側面から楽しんでいる者なんですよ。写真もいいし、それに…」なんて今はやりの「撮り鉄」でないことを縷々説明することになりそうです。
先日、かけ足で訪問した鉄道博物館。模型好きにはやはり動く模型が気になります。大レイアウトに隣接して車両整備の部屋がガラス張りで公開されています。実物同様、模型もメインテナンスが大事です。車両工場よろしく様々な工具と一緒に入場車両が並んでいました。
よく見ていなかったのですが、この写真を見ると大レイアウトから直接つながったレールから引き込まれているのでしょうね。レールはエンドウ製でしょうか。16.5㎜の道床付きレールはカトーとエンドウが出しているものが一般的ですが、狭軌感が出ているのはエンドウ製のような気がします。カトー製はよく表現されているのですが、欧米の標準軌の雰囲気です。16番の車両ではがに股が余計目立ちます。
前、HOと16番のことを記しました。ここには、80分の1で軌間16.5㎜の在来線JR型の16番車両と、87分の1で軌間16.5㎜の新幹線車両のHOが同居しています。部分的に拡大した写真を見てみると、車体の大きさの違いがよく分かります。赤い成田エクスプレス(在来線)の手前に停車中の200系新幹線と500系新幹線を比べると新幹線がかなり小さく見えます。こんなに違うんですね。共通のレールにいろいろな性格の車両を走らせるという鉄道模型ならではのジレンマがここにあるような気がします。
新幹線でも500系はさらに小さく見えますね。円形に近い断面をもった500系。先進的な車両ではありましたが、狭く圧迫感があるという評価はこの模型の外観を見ても理解できるような気がします。名車ではありましたが、あまりにも先進的過ぎて一般的に受け入れられなかったということなのでしょう。定員やドア位置が違うということも寿命を縮めた理由だったようです。
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コメント
書中お見舞い申し上げます。
鉄道博物館は今年の正月2日に行ってきました。
家内の実家(東京都国分寺市)で正月を過ごしたのですが、ソワソワと一人で行く準備をしていたら義母とカミさん、ムスメ、義理の妹がついてきてしまいました。
現地に着いたら小生は解放してもらいましたので一人でゆっくりと3時間ぐらい見て回ることができましたが正月早々かなりの人出でした。
模型のコーナーはあまりゆっくりとはみませんでしたが、博物館の模型のレイアウトは子供の頃からの憧れですね。
エンドウとカトーの線路の違いのことを書かれていましたが、確かレールの高さが異なっていると思います。エンドウのレールの規格が#100、カトーは#83だったと何かの本で見た記憶があります。
一般的な50キロレールだとするとエンドウのレールがオーバースケールでカトーのほうがより縮尺に近いようです。カトーは外国型の製品もありますのでガトーのレールは外国型の車両を乗せると違和感がないのでしょうね。
しかし、縮尺と軌間の関係はこれからも続く永遠のテーマなんでしょうね。
鉄道模型は、昔から鑑賞と動かす(それもオモチャのようにではなくコントロール=運転)することを両立させてきましたから、見たときのイメージとシステムとしての統一性のせめぎあいが続きますね。
投稿: You-enてっど | 2010年7月31日 (土) 19時28分
You-enてっどさん、お変わりありませんでしょうか。暑い日が続きますね。奥様のご実家は東京なんですね。今度行ったときには、You-enてっどさんのように3時間は見て回りたいと思います。
カトーのレールがべたっとして広軌感が出ているのは、高さの違いだったんですね。いい勉強になりました。この辺りもどうバランスをとっていくか、設計する方々にはそれなりの苦労がありそうです。
投稿: Nakachan | 2010年7月31日 (土) 23時05分