出水のC56
台風の影響で一日中風が強く、時折激しい雨が降りました。今年も今のところ、直接的な影響を及ぼす台風の接近はなし。台風対策に追われることがなくよいのですが、気象の変化に少々心配になります。
先日、出水に行った際、出水駅に寄ってみました。新幹線開業で近代的な駅に生まれ変わった出水駅。駅前には蒸気機関車が展示されています。
この蒸気機関車は豪雨災害による河川檄特事業の河川工事で、市総合運動公園多目的広場に展示していたものを移設してきたもの。C5692号機です。1973年11月に吉松で廃車になっていますが、保存状態は良好で綺麗な姿を保っています。
C56は戦時中に1号機から90号機までが南方へ供出されています。ですから91号機が日本における実質1号機、92号機は2号機ということになります。この92号機は、昭和47年10月24日に91号機と重連でお召し列車を牽引するという輝かしい経歴をもっています。私も、鹿児島運転所で回送中のお召し仕様の91号機と92号機の重連を偶然目撃しています。情報の乏しい時代、しかも小学生でしたからこんな列車が運転されるということを知らなかったのです。出会えたのは幸運でした。
ちなみに予備機はC56135号機で、鹿児島に3両のC56が集結しました。
C56特有のカットテンダーからの勇姿。保存状態がよく、今にも動き出しそうです。美しい姿ではあるのですが、現役時代にはあり得ない青や黄色(ゴールド?)などの色はおめかしのし過ぎです。もう少し落ち着いた塗装で現役時代を彷彿させてくれるといいのですが…
さて、お召し列車を牽引したお相手の91号機ですが、こちらは今、一対の動輪と車輪のみを残して解体されてしまいました。鉄道のない離島へという配慮から種子島の西之表市に保存展示されましたが、潮風と管理の悪さが災いして荒廃。そのまま解体という運命をたどりました。1号機から90号機までが海を渡り、大井川鉄道で活躍している44号機のみが再び帰ってきましたが、奇しくも91号機は国内でありながら海を渡り帰らぬ機関車となってしまいました。
下の写真は弊HPに掲載されている吉松機関区での91号機の姿です。友人と二人、初めて吉松駅に行った際に撮影しました。C622とC623に劣らない?ゴールデンコンビだったのですが…。
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コメント
幼少の頃から、当地を走っていた8620、C56、C58に慣れ親しんだ関係で、中型~小型の蒸気機関車に愛着を感じます。
模型でもやらないような塗装は、少し調子に乗りすぎの感もありますが、上屋付きで保存される幸運機、一度は見たいですね。
投稿: hvcc | 2010年9月 8日 (水) 07時59分
中型機関車は、模型としても手頃で小編成向きなので重宝します。もうすぐカトーの16番C56も再生産・発売ですね。
投稿: Nakachan | 2010年9月 8日 (水) 23時33分
「C56」と「出水」。出生地が出水の小生にはとても大切なキーワードです。本線開業時からの「庫」の町、煙りの記憶こそ皆無ですが鉄分ゼロの父から聞く沢山のD51形や先輩諸氏が撮影された大型機C60,61形が行き交う情景に憧れます。出来れば上記のD51形所属機かハドソンを一両でも保管していたらと。管理人様がおっしゃるC56(91)の放置解体は痛恨事でしたが、鉄の分子に還ると諦めていた(99)の復元保管は素晴らしい復活劇。尊敬するT本K也先生の喜ばれるお顔に想いが馳せます。北部九州に集中する保存鉄道車輛数に負けず、鹿児島でも未来の世代に鉄道の楽しさを伝承する施設が欲しいものです。
投稿: 夢幻鉄道 | 2010年9月16日 (木) 01時36分