指宿のたまて箱
今朝の新聞に九州新幹線全線開業に合わせて指宿枕崎線の鹿児島中央・指宿間に観光特急「指宿のたまて箱」を走らせるという記事が載っていました。
海側が白、山側が黒という配色でドアが開くとたまて箱にならって白い霧が出てくるのだそうです。鉄道車両も変わったものですね。JR九州の車両はこれまでの常識にとらわれない自由さがいいなと思います。どんな車両ができあがるのか楽しみです。開業に間に合わせて造るということですから、既存車からの改造車なのでしょうか。
指宿枕崎線には、私が小・中学生の頃は急行「錦江」の一部が宮崎と山川の間を結んでいました。ともに観光地である宮崎と指宿を直結する観光急行でした。西鹿児島を出ると指宿までノンストップ。キハ58系急行型気動車を使っていましたが、指宿枕崎線内はまさに特急列車。普通列車の冷房化がまったく進んでいない頃でしたから冷房の効いたキハ58系は優等列車の名に恥じない列車でした。
もし大隅線が廃止されていなかったら、鹿児島湾(錦江湾)をぐるっと回るシーサイド観光列車の運転が可能だったのにと惜しまれます。見る場所によって変わる桜島の景観やイルカとの出会いを楽しみながらの列車の旅はさぞ魅力的だろうと思います。
よく大隅半島は新幹線が全線開業してもその恩恵は受けにくいとちまたでは言われています。鹿児島中央・鹿屋の直行バスの試験運行も行われ、準備は進んでいますが、鉄道が今でも通じていたらまた違った展開があったものと思われます。日南線と大隅線・日豊線を結んだ観光ルートを軸に、大隅各地の名所への列車とリンクしたバスルートを設定すれば交流人口増につながったものと思います。
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コメント
九州新幹線全線開業まで、残り5ヶ月あまりですね。
新しい特急ですか、非電化区間ですし、お得意の47形式改造が手っ取り早いかも知れません。
47形式は、国鉄標準型気動車の集大成として歴史に残る優れた設計だと思います。
造りも頑丈であることから、誕生から30年あまりを経て、現在も多くが現役です。
大隈線もそうですが、南薩線が残っていれば、枕崎から加世田を経て伊集院というルートで、薩摩半島一周特急も夢ではなかったはず。
先人たちの労苦を軽視した結果とはいえ、残念なことです。
投稿: hvcc | 2010年10月21日 (木) 19時49分
今日の新聞に車内のデザインイラストが掲載されていました。ユニットサッシの中桟が窓にあり、その形態からキハ40系気動車であることが推測できました。キハ67系も考えられましたが、車齢と窓の形状から考えるに該当しないようです。キハ40系は国鉄末期、赤字ローカル線用に図体のでかい割には非力な気動車をお金をかけて造ったものだと思いましたが、現在の状況を考えると結果として賢い判断だったのかなと思います。南薩線もまず廃止ありきではなく、もっと積極的に未来を見据えた戦略を経営陣がとれていたらと悔やまれます。
投稿: Nakachan | 2010年10月21日 (木) 22時44分