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2011年3月29日 (火)

薩摩万世駅跡の駅前旅館「村田旅館」

南薩鉄道万世線の終着駅薩摩万世駅。昭和37年1月15日に廃止になっています。廃止からまもなく50年になろうとしていますが、更地となった広い駅構内跡の前に2件の駅前旅館が健在です。村田旅館と松屋。万世商人が闊歩した時代は遠い過去となり、辺りは静まりかえっています。そんな中で2軒の駅前旅館が過去の栄華を今に伝えています。

今日は、そのうちの1軒、村田旅館で送別会が行われました。総勢73名参加の送別会です。村田旅館ではお手伝いの人数名に高校生のバイト生も2名呼んで対応していました。

さて、村田旅館の館内を案内しましょう。堂々と構える正面玄関。かつては引き戸だったのでしょうが、現在は自動ドアとなっています。しかし、雰囲気を害するものではなく、引き戸が自動ドアに変わったぐらいで違和感はありません。自動ドアが開き中に入ると左右に木製の下駄箱があります。上を見ると少し造作を凝った天井。もちろん木製。そこで白熱球が淡い光を放っています。下駄箱に靴を入れると中に上がるために3段ほど上がります。フロントはやや左側の部分からまっすぐ奥に伸びる廊下の右側にあります。玄関を上がって正面には2階に上がる階段が右側から左上に向かって斜めに横切り、階段の上がり口を右手に進むと洗面所。これも時代を感じさせるもので、洗面所横にある大きな鏡にはアサヒビールの文字が書かれています。これが横書きなのですが、文字が右から左に流れています。かなり古いものと見受けられます。付近にある扉も木製のもの。

フロントの廊下を奥に進んでみましょう。廊下には古い木製の箪笥。仕事に使う細々としたものが入っているようです。廊下の右側には和室があります。廊下は左にいったん折れ、さらに右に折れながら2段ほど下がります。ここからさらに奥の方へ廊下が続きます。廊下右手は宴会場。舞台を備えた100人規模の宴会ができるような部屋です。カーテンの造作などから結婚披露宴も行われているのではないかと推測できました。この宴会場を通り過ぎると奥に部屋が二つほどあって、裏庭となります。裏庭も広々としていてなかなかの雰囲気。

ここまでの廊下はあまり広くなく、照明も白熱灯で昭和の時代のセットの中に紛れ込んだかのような雰囲気です。

正面玄関の前にある階段をきしみを味わいながら上ると、そこには旅館の前庭を望むミニロビーが左手にあります。かつてはここから薩摩万世駅構内を望むことができたことでしょう。右手に進むと中央を貫く廊下の左右に客室が並んでいます。昔ながらの畳の部屋がつながっています。

これだけの木造建築の旅館がよくも平成になって20年以上経っているのに未だ現役で活躍中というのが嬉しいところです。若女将さんもきれいな方で、いつまでもこのままの姿で過ぎ去った時代の良さを伝えてもらいたいと願ってやみません。

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