上野城の謎
夕方、今年の県小学校社会科作品コンクール入賞者の作品を見に行ってきました。小学生とはいえ夏休みを中心にまとめた自由研究は見応えがあり、毎年の楽しみのひとつです。
今年、おもしろいなあと思った一押しは上野城の研究。鹿児島市内の鹿児島本線沿線にあり、目立つ存在です。お城といってもかつて結婚式場だった建物で、お城を摸して造った近代建築。
これまで結婚式場だったということやお城のレプリカ的な建物だったのであまり興味を持たなかったのですが、小学生の研究を見てたいへんおもしろいものだと気づかされました。
お城の謎解きのような展開になっており、まずはこのお城にはモデルがあるのかという考察から。全国にあるお城の写真と比較しながら類似点と相違点をいくつかのポイントに分けて○×でまとめ、すべて○が付いたお城は九州の唐津城。確かに写真で比べるとうり二つ。
後に上野城本丸?への社長取材で先代が城好きで唐津城を摸して造ったということが分かり、考察は大正解。他に、立地における唐津城との類似点やなぜ結婚式場を造るときにお城の建物にしたのかなど、なるほどとうなるものばかり。
市街地にあるお城のため、電線や建物がじゃまして上野城を美しく見る場所は限られているとのことで、美しく見えるポイント探しまで決行し、美しく見えるポイントからの写真も地図ととものいくつかまとめられています。
他にも米作りに関連して「ぬき」の研究など、家族や先生のアドバイスをもらいながらだと思いますが、小学生が自分の手でまとめた見応えのある研究がずらりとあり、ひとつひとつじっくりと見てきました。
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コメント
管理人様、こんばんは【身近にあるモノへの好奇心と探究心、何より調べてみないと気が済まない】何だか鉄を楽しむ基本の様な、。テストの点数を上げていく毎日の努力も大切ですが調査の過程を体験する(させる)事も次世代を担う子供達には大事な経験かと考えます。大人が日常に追われる中で忘れがちな「生きるコトを楽しめるチャンネルの伸ばし方」を逆に子供達から教わる事も度々です。また簡単に情報が入手できる現代だからこそ動いて訪ねて見聞きし体験する事はクリックでは得られない【知恵を絞り出す】基本概念を彼らに与える事でしょう。何れにしましても益々複雑になって行く未来社会を生きる子供達に【足元を見つめ続ける尊さ】を感じて欲しいと願います。内政外交に難問山積の今、限られた時間空間の中で『人生を最大限に尚かつ安全に楽しめる』社会の環境造りをするのは私共・親世代の努めではないかと感じる次第です。
投稿: 夢幻鉄道 | 2011年11月13日 (日) 17時48分
身近にある疑問を調べるおもしろさを改めて感じさせてもらいました。上野城をあれだけ追求できるという視点だけでも大いに参考になりました。疑問は全ての研究の出発点です。ハテナのないところに研究は生まれません。そういう意味で何気ない日常にハテナを見い出す感性に敬意を表しなければなりません。社会の流れにただ流されるのではなく、その中で確かな疑問をもつことが市民としての資質なのだと思います。そういう意味で自由研究でもつ疑問というのは責任ある市民としての資質を養うひとつの試金石なのかも知れません。
投稿: Nakachan | 2011年11月13日 (日) 23時09分