鉄道時計
高校入学祝いに時計と万年筆を買ってもらいました。時計と万年筆を所持することは高校生の証でもある時代だったと思います。クォーツではなく自動巻のゼンマイ時計が主流の時代でした。耳を近づけるとかすかにカチカチというリズミカルな音が聞こえ、細い針が動く様子に精密機械のおもしろさを感じたものです。
今日、本を読んでいましたら鉄道時計のことが出てきました。そういえば鉄道時計を持っていたよなと思い起こし、棚から取り出し手に取ってみました。ずっしりとした手応えと金属質の冷たい質感。ゼンマイを巻くと久しぶりに動き始めました。耳に当ててみるとカチカチというまるで時計の心臓が動いているような音を聞き取ることができました。
時刻を合わせるためにノブを引くと小さな秒針は0秒を指すところまで通常通り運針して停止、時刻を合わせ00秒になった瞬間にノブを戻すと正確な時刻を刻み始めます。朝、時刻を合わせ、今現在秒の狂いもありません。
この時計、国鉄時代の鹿児島駅で行われたイベントで購入したもの。いくつか並んでいるうちの気に入ったものを選びました。裏を見ると「昭43鹿鉄」の刻印があります。今から43年前の刻印。もちろん実際に鉄道の現場で使用された時計です。
鉄道時計には鉄道マンの誇りが宿っているような気がしてなりません。
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コメント
何か懐かしいデザインの時計ですね。
最近、機能を優先するようなデザインの製品が、巷には氾濫しているように思えます。
無骨、強靭なデザインは、一見すると近寄り難い印象を持つことさえありますが、何となく人間と似ていますね。
外見や第一印象、あるいは風評だけで、その人(物)を判断することが、結果的に、お互いの利益とならない現実、意外と多いようにも思いますが…。
投稿: hvcc | 2011年11月19日 (土) 21時00分
重厚長大から軽薄短小へ時代と科学の進歩とともにかわってきました。ものの価値に対する人間の感覚も厚いものから薄っぺらなものへと変わってきたような…。そんな中、人のぬくもりや思い、高いセンスが感じられる“もの”にはやはり魅力を感じますね。人も同じでしょうか。
投稿: Nakachan | 2011年11月20日 (日) 00時07分