機関ブレーキ
日豊線の霧島越えをする際、電化前は蒸気機関車にしてもディーゼルにしても、あえぎあえぎ今にも止まりそうな速度で上るものだった。山越えの鉄道は、機関のうなりとともに何ともいえない緊張感が伝わり、印象深い。その頃、ディーゼル車にも車と同じようなエンジンブレーキがついているのだろうかと疑問に思ったことがあった。何気なく開いた「鉄道用語辞典」のページに、きかんブレーキ〔機関ブレーキ〕という用語があった。エンジンブレーキのことで、キハ58系は自動車と違ってスイッチ操作で作動させるとある。気動車の場合、マスコンを切位置にすると変速機のクラッチが切れて動力の伝達が絶たれる。そのままだと機関ブレーキを使うことができない。そこで、別にスイッチを設けて、下り勾配の惰行中に速度が上昇し機関ブレーキが必要になったときに、一旦マスコンを1~3ノッチに投入し、機関の回転数が速度に見合った頃に機関ブレーキ用ボタンを押すと、このままマスコンを切位置にもってきても変速機は直結のままで機関ブレーキが効くことになるそうだ。解除するには1ノッチに投入し、再度機関ブレーキ用ボタンを押すとよいそうだ。
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